2021年09月20日
社長の仕事は「決定」「実行」「責任」である。第一回提言「社長の仕事は決定・実行・責任」で書いた。わが社の永続的な繁栄のために目指すべき方向を決定する。決定したことは実行する。実行した結果がいかなるものであったとしてもその結果責任は社長が負わなければならない。
>> https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/第1回 社長の仕事は決定・実行・責任
決定、実行、責任において社長はリーダーシップを発揮しなければならない。また、社員にも職位職責に応じたリーダーシップを発揮してもらわなければならない。今回はリーダーシップについて提言する。リーダーシップ理論は軍隊で発展した。今回は軍隊の考えをひも解いて、経営に適用して解説する。
戦前の日本軍も現代の自衛隊もリーダーシップを「統率（とうりつ）」と呼んでいる。「統率」は「統御（とうぎょ）」と「指揮」によって構成される。指揮とは、任務遂行のために職権によって部下に命令を実行させるように指図することである。
軍隊において命令は絶対である。必ず従ってもらわなければならない。そうしなければ戦いにならない。軍が崩壊する。火のなか、水のなかに突撃するように命令せざるをえないときにも、厳然たる命令を下すのが軍隊のリーダーである。部下を死地に飛び込ませなければならないときもある。
そのリーダーには特段の倫理観が求められる。人徳、人望、部下への理解、部下との信頼関係といった「人間的魅力」がなければ、命令に従わない人が出て、軍は崩壊する。これを軍隊では「統御」と呼んでいる。日本の武士道、西洋の騎士道は「統御」のための思想といえる。
一方の「指揮」は合理的である必要がある。これまで負け続けているリーダーの命令には説得力がない。勝ち方を知り、小さくても勝ってきた実績があり、わかりやすい説明で納得感のある命令をすれば部下は喜んで従うだろう。筆者は「戦略的思考」と呼んでいる。
つまり経営におけるリーダーシップは「人間的魅力」と「戦略的思考」によって構成される。社長はもちろん、社員にも職位職責に応じたリーダーシップを身につけてもらう必要がある。
筆者は個別企業へのコンサルティング（経営相談や戦略導入）のほか、研修・講演・セミナーの講師、執筆の仕事をしている。独立開業した1999年からコンサルと研修を始めた。2001年から「ランチェスター戦略」の研修・講演・セミナーの仕事を始めた。05年に著書「ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則（2018年に新版が発行されている）」
>> https://sengoku.biz/出版物/〔新版〕ランチェスター戦略『弱者逆転の法則』
が発行されたことで、「ランチェスター戦略」の研修・講演・セミナーの仕事の割合が増えていった。
筆者自身の仕事の変遷については第10回提言「コンサルタントを使うときに役立つ コンサルタントの3つの区分法」で書いた。
>> https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/第10回 コンサルタントを使うときに役立つ コンサルタントの3つの区分法
競争の原理原則と実務という社長や社員にとって役立つ「戦略的思考」を著書や研修・講演・セミナーで解説してきた。ただし、実行するのは社員である。社長や営業幹部のリーダーシップなくして、粘り強い実践はなされない。
顧客である企業に繁栄していただくためには、リーダーシップ教育にも取り組むべきではないかと考え、2009年より「歴史に学ぶリーダーシップ」の研修・セミナー・講演を始めた。著書も黒田官兵衛と真田幸村について二冊書かせていただいた。歴史上の人物や出来事などから「人間的魅力」と「戦略的思考」を学び取ろうという企画である。
2011年頃から、コンサルティング（経営相談や戦略導入）の仕事が、研修などの講師業よりも段階的に増えてきているが、いまも、講師業の仕事も少なくない。ちょうどいま、あるメーカーにコンサルの一環として将来の役員候補の選抜者を対象に「歴史に学ぶリーダーシップ」研修を行っている。
・課題図書を読んでいただいたうえでレポートを事前に提出
・当日はグループ討議とフィードバック
・講師の解説
といった参加型のプログラムである。次回のテーマは豊臣秀長と二宮尊徳である。ご興味あればお問い合わせされたい。
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