ランチェスター法則とは。ランチェスター戦略コンサルタントが解説。

中小企業の社長向けに書きました。


中小企業がナンバー1になること

 特定市場でナンバー1になることが企業の永続的な繁栄に最も有効である――ランチェスター戦略の結論的に大切な考え方です。経営資源の乏しい中小企業は、自社の得意な地域・顧客層・商品で市場を括り直し、一点集中すること。企業永続の必要条件です。私・福永は中小企業に、戦略なき多角化を戒め、本業と縁遠い事業は奨めていません。

 しかし、コロナ禍で世界が変わったいま、既存事業を深耕してナンバー1になったとしても永続的な繁栄が約束されるわけではなくなりました。特定市場でナンバー1になることは企業永続の必要条件ではありますが、充分条件ではなくなったのです。


既存事業の深耕と新分野への進出

 ナンバー1事業を1つ創ったら2つ目を、2つ創ったら3つ目をつくる必要があります。新製品を開発し、新市場を開拓し、新事業を開発することです。ヒト、モノ、カネとった経営資源が限定的な中小企業がいかにして新分野への進出戦略に取り組むのか。新分野への進出戦略に取り組むことが企業永続の充分条件です。

 新刊「コンサル事例で解説するランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」は、ランチェスター戦略を既存事業の深耕戦略と新分野への進出戦略の「両利きの経営」の実戦の書として中小企業の社長向けに書きました。中小企業は既存事業の周辺分野で新事業に取り組むのが原則です。

周辺分野の新事業と既存事業の相乗効果を発揮させることができれば、既存事業と新事業を併せてナンバー1にすることもできます。本書はそのケーススタディから始まります


ランチェスター戦略は元もと、両利きの経営だった

 1972年から順次発行された故田岡信夫先生の「ランチェスター販売戦略」シリーズ5巻本がベストセラーとなったことから、ランチェスター戦略が世に広まりました。それからちょうど50年目の節目の年に本書が刊行されました。従来のランチェスター戦略の本は既存事業の深耕が中心で、新分野への進出戦略については充分に触れられていなかったといわれますが、それは正確ではありません。

 故田岡先生の「ランチェスター販売戦略」シリーズ5巻本の第2巻は「市場参入戦略」でした。故田岡先生の著書は、既存事業の深耕戦略と新分野への進出戦略の「両利きの経営」の実戦の書でした。拙著も含めて平成以降のランチェスター戦略の書籍が既存事業の深耕戦略を中心に書いてきたから、そのような印象となったのでしょう。


新刊「コンサル事例で解説するランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」

 ランチェスター戦略は始めから両利きの経営だったのです。その戦略思想の原点に回帰したうえで、デジタル化、SDGsなどの時流に適合して本書を書きました。

 令和時代の企業は既存事業を深耕し、特定市場でナンバー1にするとともに、新分野へ進出戦略に取り組まなければなりません。そして新事業を深耕してナンバー1にしていきます。このことが、世界が変わり、ビジネスが変わりつつある今を生きる、そして未来を切り拓く社長と企業に求められます。


読了後、すぐにやってほしい3つのこと

 本をお読みになった社長には、自社の戦略づくりに取り組んでいただきたいのです。まずは、次の3点について考えを整理してください。

1.自社の差別化ポイントは何か。特に社会にどのような貢献をするのか
2.主要な顧客と競合を分析し、対策する
3.自社の事業の構成比の現状を把握し、理想を描く

 そのやり方は本書に書いています。読めば、やり方はわかるはずです。ただし、業界や会社によっては応用も必要でしょう。わからないことがあれば福永へ直接ご質問ください。読者の質問には必ず答えますので、3つのことはぜひ、やってください。これは読者と筆者の約束です。

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コンサル事例、未掲載原稿を読者に進呈しています。
本書に封入された小さなチラシに
入手先のQRコードやURLが掲載されています。


コンサル事例レポート & 未掲載原稿 計13点






【特典1】弊社コンサル事例レポート11点

弊社コンサル事例ほかのレポートです。

①差別化戦略のコンサル事例など レポート3点
②新分野進出戦略のコンサル事例など レポート4点
③営業戦略のコンサル事例など レポート4点


【特典2】本書の未掲載原稿2点

ページに限りがあり掲載できなかったのですが著者としては読者にお読みいただきたい原稿です。

①第3章 新分野への進出戦略「グーパーチョキ理論」
②第6章 営業戦略「商談プロセス」



本書の「はじめに」を紹介します

はじめに

 コロナ、戦争、デジタル化、SDGs......。世界は変わりました。人々の暮らしも変わりました。ビジネスだけが変わらないわけがありません。会社が生き残るためには自らが変わらなければなりません。では、どう変わるべきか。

■ 特定市場でナンバー 1 になる

自社の変わるべき、目指すべきビジョンを示し、それを実現する戦略を描くことが社長の仕事です。そのために戦略づくりの方法を学んでいただきたい。この本は社長の戦略づくりのために書きます。

多くの社長が自社の戦略づくりに活用してきたことから「競争戦略・販売戦略のバイブル」といわれる「ランチェスター戦略」を中小企業の社長向けに解説します。ランチェスター戦略とは何か。第1章と第2章で解説しますが、基本理論でいちばん大切なことをあらかじめお伝えします。

■ 特定市場でナンバーになることが企業の永続的な繁栄に最も有効である」

特定市場とは地域、顧客層、商品などで細分化した市場です。自社の強みを活かして、自社の身の丈を意識して、括り直した市場のことです。自らの生存領域を定め、そこでは圧倒的な強者となることが繁栄の原則です。その理論と実戦の体系がランチェスター戦略です。なお、本書では筆者の信条から「実践」という言葉をあえて「実戦」と記しています。ご承知おきください。

筆者の福永雅文は特定市場でナンバーになる方法を企業に導入しています。その指導原理、すなわち筆者の仕事のよりどころとなる理論がランチェスター戦略です。ランチェスター戦略コンサルタントとして本書が13冊目の著書です。筆者のことは第1章 53ページにて実戦事例として解説していますのでご参照ください。

■ 中小企業の両利きの経営の書

特定市場でナンバーになるためには、既存の事業を深耕してシェアアップしていく必要があります。そのことは第4章から最終章の第6章で解説します。ただし、世界が変わったいま、既存事業の深耕だけでは特定市場でナンバー1になったとしても、永続的な繁栄が約束されるわけではありません。業界によっては市場そのものが激減しています。いままでのビジネスモデルが通用しなくなった企業もあります。

いま、企業は既存事業の深耕とともに、新分野への進出が求められます。新製品を開発し、新市場を開拓し、新事業を開発することです。ヒト、モノ、カネといった経営資源が限定的な中小企業がいかにして新分野への進出戦略に取り組むのか。このことを第3章で解説します。

本書は既存事業の深耕戦略と新分野への進出戦略の両利きの経営の実戦を中小企業の社長向けに書いたランチェスター戦略の本です。社長のために書きましたが、社長を補佐する幹部や士業などの参謀役が読めば社長を支えることに役立ちます。経営意識を高めたい部門長や営業管理職にも役立つ内容です。

■ 本書の構成

本書は全6章で構成されます。

第1章から第3章までの前半は社長はどう考えるべきかとの視点で書きました。第1章と第2章はランチェスター戦略の基本理論です。弱者と強者の戦略、市場シェア理論などです。第3章はランチェスター戦略の思考方法で新分野への進出戦略をいかに考えるかについてです。類書には書かれていないことを多く含みますので、ランチェスター戦略のことを知っている方も、第3章は必ず目を通していただきたいと思います。

第4章から最後の第6章までの後半は既存事業の深耕戦略です。第4章の地域戦略、第5章のシェアアップ戦略、第6章の営業戦略で構成されます。これは拙書『ランチェスター戦略「営業」大全』とほぼ同じ構成です。違いは第一に社長向けに書いていることです。社長は社員をどう動かすかとの視点で書いています。第二の違いはケーススタディを中心に解説していることです。筆者の中小企業を対象としたコンサルティング事例で解説しています。

ケーススタディはすべての章に入れています。現実に競争している事例につき、実名を出せないものもあります。業界なども多少変えているものもありますが、すべて実例に基づいたものです。そのほかの事例は第1・第2章についてはわかりやすい著名な会社の例を示していますが、第3章以降はコンサル事例が中心です。

以上の全章の前に序章を設けています。本書執筆にあたり、実名での紹介を快諾してくださった山梨ユニフォーム株式会社の田中昇社長の協力を得て、現在進行中のコンサルティング事例から本書を始めようと思います。同社を取り上げたのは、既存事業の深耕と新分野への進出の両利きの経営に取り組むことによって山梨県のユニフォーム市場でナンバーを目指しているからです。また、同社のケースを序章で示すことで、第1章以降の本書の全体像を大づかみできます。


世界が変わった令和時代に、目指すべきビジョンを示し、それを実現する戦略を描く社長の羅針盤を目指して書きました。お役に立てば幸いです。

2022年 8月福永雅文



中小企業のコンサル事例でわかる
ランチェスター戦略〈圧倒的に勝つ〉経営

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「ランチェスター戦略」経営の教科書です。


出版社 ‏ : ‎ 日本実業出版社
発売日 ‏ : ‎ 2022/9/16
単行本 ‏ : ‎ ¥1,870

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著者:福永雅文(ふくなが まさふみ)プロフィール

福永雅文(ふくなが まさふみ)
ランチェスター戦略コンサルタント 

戦国マーケティング株式会社 代表取締役/NPOランチェスター協会 常務理事・研修部長/ランチェスター戦略学会 常任幹事/公益財団法人SAWADA FOUNDATION 理事

 ランチェスター戦略コンサルタント。戦国マーケティング株式会社代表取締役。「特定市場(地域、顧客層、商品)でナンバー1になることが企業の永続的な繁栄のために最も有効である」との考えのもと、企業の戦略づくりの方法を指導するコンサルタント。

 営業部門・拠点ごとに市場占有率を把握し、シェアと売上・利益を向上させる目標・戦略・行動計画を策定しPDCAを回す仕組みを導入。集客・営業の「武器」づくりのノウハウを提供。その指導原理は我が国の競争戦略のバイブルともいわれるランチェスター戦略。

 1963年に広島県呉市生まれ、86年に関西大学社会学部卒、以降は東京在住。マーケティング関係の仕事を経て99年にコンサルタントとして独立。小が大に勝つ「弱者逆転」を使命とし、ビジネス戦国時代を生き残る知恵を提供する意図から社名に「戦国」とつける。2005年よりNPOランチェスター協会で講座の内容とテキストの責任者を務め、後進のインストラクターの養成を行う。同会常務理事。HIS創業者の澤田秀雄氏が立ち上げた起業家や政治家を育成する澤田経営道場の運営母体で理事を務めるほか、さいたま市の外郭団体や南アルプス市商工会などで若手社長の育成機関で講師を務める。歴史に学ぶリーダーシップ(戦略的思考と人間的魅力)についても著述や研修を行う。

 著書「小が大に勝つ逆転経営 社長のランチェスター戦略」(日本経営合理化協会)、「ランチェスター戦略『営業』大全」「新版ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則」(日本実業出版社)ほか多数。戦国マーケティング株式会社 

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