ランチェスター法則とは。ランチェスター戦略コンサルタントが解説。


提言28 テリトリーの縮小 残業減&業績UPの打ち手⑵

2021年05月10日 


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「残業は減らせ、ただし、業績をアップせよ」は、「①顧客との商談時間」を増やし、「②移動時間」と「社内での業務時間」を減らすことで実現する。

具体的には
1.活動を管理すること
2.テリトリーを縮小すること
3.社内業務を改革すること

この3つの方策で実現する。前回は、「1.活動を管理する」について提言した。今回は「2.テリトリーを縮小すること」について提言する。

営業員の一日の時間の使い方を調べてみると
・顧客との商談:2割~3割
・移動時間:2割~3割
・社内業務時間:5割
というのが平均像だ。

残業を減らしつつ、顧客との商談時間を増やすには、移動時間と社内業務時間を減らすことに取り組むことだ。

次の3つのことに取り組むことで、移動時間は減らせる
1.営業所は小規模多拠点とする
2.重点地域の設定
3.地域担当制

小規模多拠点、重点地域、地域担当制

規模の大きな営業所を少数つくるのがよいか、規模の小さな営業所を多数つくるのがよいのか。社長は常に迷うものだが、ランチェスター戦略では「小規模多拠点」をお奨めしている。小規模多拠点のほうが移動時間が減り、顧客との商談時間を増やせるからだ。

月に何度も同じ顧客に訪問するルートセールスの会社の場合。たとえば埼玉県なら、県は一般に中部・西部・東部・北部に区分する。中部は大宮に、西部は川越に、東部は越谷に、北部は熊谷に、計4カ所の営業所をつくるのが一般的だ。一営業所で全県をカバーすると移動時間が多くなりすぎる。

次に営業所ごとに重点地域を設定する。営業所からの移動時間や距離で1次商圏・2次商圏を決める。1次商圏に70%以上の顧客をつくると移動効率がよい。そのためには2次商圏は25%以下、2次商圏圏外はどうしても必要な顧客だけに絞って5%未満とする。

1次・2次は、たとえば大宮営業所のような狭い範囲に顧客が密集している営業所は、1次30分圏内、2次60分圏内とすればよい。熊谷営業所のような広い範囲に顧客が分散している営業所は1次45分圏、2次90分圏のように、営業所ごとに調整する。

ルートセールスの場合は、重要顧客なら仮に用事がなくても週1回は定期訪問すべきだが、2次商圏の顧客は隔週とする、2次商圏外は月1にするなど、訪問頻度のメリハリをつけてよい。1次商圏の顧客を増やし、売上を増やす方針だから、それでよい。

三つ目が営業員のテリトリーである。営業員の担当は地理的に分けるほうがよいか、顧客層や商品で分けるのがよいのか。顧客層ごとに商品も商談の進め方も異なり、専門知識が求められるのなら検討の余地はあるが、原則として営業員は地理的に分けるべきである。営業所からの東西南北の交通網をベースに担当地域を割り振るべきだ。

たとえば、大宮から東西南北の各方面に一人ずつテリトリーを割り振る。プレイイングマネジャーの営業所長は自身の担当は中央部にして、部下が担当する東西南北方面へ機動的に同行できるようにする。

以上の、小規模多拠点、重点地域、地域担当制で、移動時間は減らすことができて、商談時間を増やすことができる。地域戦略とは時間戦略である。

筆者のコンサルティング先にはこれをお奨めしてきた。地域担当制に変える際に、担当顧客が変わることを不安視する社長や営業幹部がいる。ただ、やってみるとプラスのほうが多い。ぜひ、検討してもらいたい。


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