2022年09月26日
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」が9/16に発刊した。税別1700円、日本実業出版社。福永雅文の13冊目の単行本である
https://sengoku.biz/ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営
新刊の類書との差別化ポイントは3つある。
新刊で、筆者は新分野進出戦略を7つに整理し、体系化した。
1.製品開発戦略、2.市場開拓戦略、3.転用による隣地型の多角化戦略については前回の提言で解説した。
https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/提言71_7つの新分野進出戦略
今回は、4.見込事業と受注事業について解説する。
事業というものは見込事業と受注事業に区分できる、と提唱したのはコンサルタントの牟田學氏(日本経営合理化協会会長)である。
見込事業とは、あらかじめ見込客を想定し、商品をつくり、または仕入れ、販売する事業である。
受注事業とは、注文により商品やサービスを提供する事業である。
見込事業は主に完成品で、消費財である場合が多い。受注事業は主に部品で、産業財である場合が多い。部品であってもカスタマイズしない標準規格品は見込事業。完成品であっても特注でカスタマイズするものは受注事業。いわゆる下請けは受注事業そのもの。
たとえば、出版や書店は見込事業である。あらかじめ見込客(読者)を想定し、出版し、販売するので。一方、印刷や書籍の執筆やデザインは受注事業である。出版社からの注文により作るので。
どちらがよいということではない。両方ともプラス面とマイナス面がある。それは両極である。ゆえに見込事業者が受注事業を、受注事業者が見込事業を行うことは、売上・利益を飛躍的に伸ばすことにとどまらず、二つの事業のマイナスを補うので極めて有効である。また、一つの事業では販売できなかった顧客層にも販売することができる。
まずは自社が見込事業者か、受注事業者かを見極めていただきたい。そして、見込事業者なら受注事業の、受注事業者なら見込事業を行うことはできないかを考える。両方の事業を営んでいる場合は、その構成比を調べる。今後、どちらの事業を伸ばすべきか、理想の姿を描き、その目標に向けて、戦略を練る。
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」では、受注事業の典型であるユニフォームの販売会社が、作業着の小売店という見込事業を始めるところから始まる。そのほか、いくつかの中小企業の事例で解説している。
https://sengoku.biz/ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営