2022年09月20日
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」が9/16に発した。税別1700円、日本実業出版社。福永雅文の13冊目の単行本である。
https://sengoku.biz/ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営
新刊の類書との差別化ポイントは3つある。
1.社長向きに書いている
2.中小企業のコンサル事例で解説している
3.新分野への進出戦略について詳しく書いている
2020年3月にコロナが始まり、経営環境は大きく変わった。それ以前から、デジタル化、SDGs、働き方改革の傾向があったが、コロナで改革が待ったなしとなった。業界によっては市場そのものが壊滅的な打撃を受けた。コンサルタントの筆者のもとにも、コロナ以降の営業改革と、本業の落ち込みを新分野で取り戻すための施策についての相談が相次いだ。
ランチェスター戦略は、地域、顧客層、商品で市場を自社に有利になるように小さく括り、特定市場でナンバー1になることを重視している。その原理原則は変わらない。ただし、既存事業の深耕だけでは市場が失われるような事態への対応に限界がある。
コロナ以降は、既存事業の深耕と新分野への進出戦略の両方に同時に取り組んでいかなければならない。「両利きの経営」の中小企業版を、ランチェスター戦略コンサルタントの筆者は顧客企業に指南している。
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」で、筆者は新分野進出戦略を7つに整理し、体系化した。
1.製品開発戦略
2.市場開拓戦略
3.転用による隣地型の多角化戦略
4.見込事業と受注事業
5.5つの販売方法
6.業務プロセスの拡大
7.直接販売と間接販売
1の製品開発戦略は、既存市場に新製品を投入することである。既存顧客との関係を活かし、強化し、新製品の開発や調達を行い販売していく。
2の市場開拓戦略は、既存製品を新市場に投入することである。既存製品の強みを活かし、新たな地域や顧客層や用途や販売チャネルを開拓する。
新製品を新市場に投入することを「多角化戦略」というが、筆者は本業との相乗効果の乏しい多角化戦略を中小企業にお奨めしない。筆者がお奨めしている第三の新分野進出戦略は、転用による隣地型の多角化戦略である。
新製品、新分野の「新」を本業と関連の濃い「隣地(周辺)」と、本業との関連の薄い「飛び地」に分けて考える。本業との相乗効果を発揮するのは「隣地」である。「飛び地」は後回しにすべきである。
隣地への進出は、既存の技術や組織能力を転用して行う。組織能力とは販売や物流の体制のことである。
中小企業の多角化戦略は、既存の技術や組織能力を転用して、既存製品の周辺製品を開発ことや既存市場の周辺市場を開拓することである。これが「転用による隣地型の多角化戦略」である。
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」の第3章で、事例をあげて解説している。
https://sengoku.biz/ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営
4つ目以降の新分野進出戦略は別の機会に解説する。