ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。


第46回 販売単価が10年で2割アップしたアイスクリーム

2021年09月13日 

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読者はアイスクリームを食べる機会は増えただろうか。食べるアイスは以前と比べて高い価格ものだろうか。

「アイスクリームの販売単価が、この10年で2割アップした」と日経新聞21年9月10日夕刊で報道された。市場の変化を捉えて打ち手を繰り出すうえでヒントとなると思うので、今回は日経の報道を元資料としてアイスクリーム市場の変化から学ぶべきことを書く。

日本アイスクリーム協会によると20年度のアイスクリームの
・販売数量は前年度比1%減の86万キロリットル
・販売金額は1%増の5197億円(過去最高)
・1リットルあたりの価格は600円を超えて、この10年で100円以上上昇。単価2割アップ

という状況である。

原料のバニラ豆の輸入価格が10年で6倍になるなどの原料高を反映して、メーカーは値上げしてきたが、数量はそれほど低下しなかったので販売金額は過去最高となり、単価は2割アップした。メーカーが高くても売れる商品(「ちょい高アイス」と呼ぶ)を市場に投入してきたからだ。業界によって市場が変化した。あるいは市場の変化を業界が捉えたからだろう。この10年でどのような市場の変化があったのか。

アイスクリーム市場の変化

アイスクリームというと「夏場の子供のおやつ。暑いとよく売れる」というイメージがあったが、いまは異なる。通年でアイスを食べる習慣が広がっている。暑い日に食べたくなるものだが、暑くなくても食べているのが実態だ。

日経には書かれていなかったが、総務省の家計調査によると、アイスの消費量が一番多いのは石川県で年間10,480円を消費している。2位以下は富山県、栃木県、山形県、埼玉県の順である。一方、消費量が最も少ないのは沖縄県で6,566円。2位は兵庫県、福岡県、和歌山県、宮崎県と続いていて温暖なところが下位に多い。北陸から東日本にかけて消費量が多く、西日本で少ない。つまり、暑い地方で売れているわけではなく、寒い地方で売れていないわけではない。むしろ逆だ。

調査会社のインテージの調べで、アイスの購入金額を年代別に分析したところ、12年から20年の増加率が最も高かったには60代で32%だった(全世代平均25%)。「アイスは子供のおやつ」という見方は古い。大人もシニアもアイスを食べている。食べる量や金額が増えている。それが「ちょい高アイス」だ。

かつてのアイスは駄菓子的なジャンキーな「子供のおやつ」だった。「ちょい高アイス」はハーゲンダッツくらいしかなかった。乳脂肪分が高い濃厚な味わいの「ちょい高アイス」が増えて、舌の肥えた大人にも好まれる「大人にも通用するスイーツ」に位置付けが変わった。マーケティング用語でリポジショニングという。

スイーツというとかつては街の洋菓子店が贅沢品やギフト需要を担い、スーパーなどが日用品(おやつ)を担い、棲み分けされていた。その狭間を狙ったのがコンビニスイーツである。「ちょっと贅沢なスイーツ」である。単価300円前後がボリュームゾーンだと思う。

そのコンビニで単価250円前後で「ちょい高アイス」を売っている。コンビニスイーツのなかでは安い部類だ。子供向けのアイスよりは高いので、贅沢なアイスだが、大人のスイーツとしては割安感がある。ここに、生存領域を見出したのが「ちょい高アイス」なのだ。

リポジショニング戦略

ポジショニングとはターゲット顧客の頭の中で、自社製品を他社製品とは異なるように位置づけることである。製品差別化の代表的な方法である。
そのポジショニングを変えることをリポジショニングという。リポジショニングはターゲット顧客を変えることもできる。位置づけが変われば競合製品も変わる。ターゲットもライバルも変われば、市場を差別化したことになる。

「ちょい高アイス」は「子供の日用的なおやつ」から「大人も含めたちょっと贅沢なスイーツ」にリポジショニングした。市場の差別化事例である。

かつてアイスは「夏場の、子供の、日用的な、ジャンキーな」おやつだった。それは昔の話だ。この10年で市場は変化した。メーカー・流通の業界が変化させたともいえる。

この例から、私たちは以下のことを学ぶべきである。
1.既成概念にとらわれず、市場の変化をとらえること
2. 成熟市場のなかで自社製品をリポジショニングすること
3.リポジショニングは市場を差別化することができること

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