2022年10月17日
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」が9/16に発刊した。税別1700円、日本実業出版社。福永雅文の13冊目の単行本である。
https://sengoku.biz/ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営
新刊の類書との差別化ポイントは3つある。
新刊で、筆者は新分野進出戦略を7つに整理し、体系化した。
1.製品開発戦略、2.市場開拓戦略、3.転用による隣地型の多角化戦略については提言71で解説した。
https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/提言71_7つの新分野進出戦略
提言72で、4.見込事業と受注事業について解説した。
https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/提言72_見込事業と受注事業_7つの新分野進出戦
提言73で、5.5つの販売方法について解説した。
https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/提言73_5つの販売方法_7つの新分野進出戦略
今回は6.業務プロセスの拡大について事例で解説する。
筆者はいま、新聞販売店の新分野進出戦略についてお手伝いしている。紙の新聞を配達する事業は斜陽産業である。
市場縮小期に取り組むべきことは二つ。
1.市場の縮小期は「一人勝ち」が進む。第一に取り組むべきは「地域ナンバー1」を目指し、シェ
アアップを図ること
2.既存事業だけでは限界がある。第二に取り組むべきは新分野への進出。第二・第三の事業の柱を
つくること
2の新分野進出戦略について、業務プロセスを拡大する視点で考えてみる。新聞販売店の業務プロセスは新聞販売店は新聞社から紙の新聞を仕入れて、読者に購読契約を取り付けて、定時定期に配達をする。「仕入れ→販売→配達」である。
「仕入れ→販売→配達」を拡大するとすれば、どのようなことが考えられるだろうか。一つは媒体を発行することである。無料のタウン情報誌を発行する。広告媒体として営業して売上利益を得る。新聞に折り込んで配達する。新聞を購読していない家にも配布するのならポスティング事業となる。
もう一つは配達した後のプロセスである。古新聞の回収である。ついでに資源ごみの回収をしてもよい。リサイクル事業である。
新聞販売店のもう一つの業務プロセスは折込チラシである。折込広告代理店経由または直接に折込の依頼を受け、折込チラシを受け取る。受け取ったチラシを新聞に折り込む。チラシを含めて新聞を配達する。「チラシ折込を受託→折込→配達」である。
新聞販売店は折込チラシの専門家である。どのようなチラシが反響を得やすいのかのノウハウがある。チラシを制作・印刷する仕事から請け負うことが考えられる。
チラシのノウハウをもっているのだから、自社が広告主としてチラシを制作・印刷し、物品販売をすることも考えられる。これはプロセスの拡大でもあるが、提言73で解説した「受注事業者が見込事業に進出」することである。提言74で解説した「訪問販売事業者が媒体販売に進出」することでもある。
7つの新分野進出戦略は7つの切り口と捉えていただきたい。切り口が違っても、同じ事業を考えつくこともよくある。
まずは、現在の自社の業務プロセスを整理しよう。自社の歴史は業務プロセスの拡大の歴史という会社も多い。今後、拡大するとすれば何が考えられるか。まずは頭の体操レベルでアイディア出しから始めればよい。
新刊「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略<圧倒的に勝つ>経営」では、業務プロセスの拡大も含めて7つの新分野進出戦略を解説している。