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第一次世界大戦の頃、イギリス人のエンジニアF・W・ランチェスターは戦闘機の開発に従事していました。彼は自分が開発した戦闘機が戦争でいかなる成果をあげるのかに興味を持ちます。研究した結果、兵力数と武器性能が一軍の戦闘力となり、敵軍に与える損害量を決めることを発見します。これがランチェスター法則です。第一・第二の二つから成り立ちます。このランチェスター法則がランチェスター戦略の原点です。
第二次世界大戦のとき、アメリカ軍はランチェスター法則を応用し、戦闘力を敵軍と戦う直接的な力と、敵軍の後方を攻撃し敵が戦争をすることを困難にする間接的な力に分けてとらえます。ランチェスター戦略方程式といいます。コロンビア大学の数学教授であったB・O・クープマンらがオペレーションズ・リサーチ(OR=作戦研究)チームを作り、導きだしました。
戦後、ORは産業界へ応用されていきます。フォルクスワーゲン社がカナダに進出した際にも使われたといわれています。
日本ではコンサルタントの故田岡信夫先生が、これを研究し販売競争に勝つための理論と実務として体系化しました。1970年代以降、多くの企業がこれを学び自社流に応用して取り入れ実戦し勝ち残っていきました。
多くの戦略理論や経営手法がアメリカ生まれであるのに対してランチェスター戦略は原点こそ欧米ですが、ビジネス戦略として体系化づけられたのは日本です。日本発ということと多くの企業が導入してきたこと、コンサルタントやマーケッターが多かれ少なかれ、この理論の影響を受けてきていることから「販売戦略のバイブル」ともいわれます。
ランチェスター戦略とはランチェスター法則、ランチェスター戦略方程式をベースに故田岡信夫先生が構築した販売戦略、競争戦略です。イギリスで生まれ、アメリカで育ち、日本でビジネス戦略として花開いたものです。
現代では故田岡信夫先生の遺志を受け継ぐNPOランチェスター協会がランチェスター戦略の研究・教育・指導業務を司っています。私(福永)は同協会で学び、07年現在、同協会理事・研修部長を務めています。自らが経営する戦国マーケティング株式会社は同協会公認企業として、ランチェスター戦略のコンサルティング業務に専門特化しています。