ランチェスター法則とは。ランチェスター戦略コンサルタントが解説。


提言65 先発と後発、どちらが有利か

2022年05月23日 


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筆者はセミナーの講師も行っている。一時間半から一日の単発のセミナーと、二カ月から一年の期間に5回から12回続く塾形式のセミナーの二種である。

直近の単発の公開セミナーとしては6/21に東京で日本経営合理化協会主催の「小が大に勝つランチェスター経営」が開催予定である。
https://sengoku.biz/seminar

塾形式のものとしては、さいたま市と山梨県南アルプス市で社長またはそれに準ずる方を対象にしたものと、起業家や政治家を育成する澤田経営道場と、20代を中心とした若手のビジネスパーソンを対象にしたものの、4つの講座が同時並行している。若手対象の塾形式のセミナーは毎月一回2時間を一年間12回で一期のものを行っている。

若手対象のセミナーの受講者から質問があった。「先発と後発のどちらが有利か?」

その答えは「先発」である。

梅澤伸嘉氏が統計調査で明らかにされた。新市場を創造した先発商品が発売後、10年以上経過したときの市場順位を調べた。53.8%の先発が一位であった。約半数が一位であり、約半数が二位以下だった。勝率にすると5割程度である。

先発の勝率が5割ならば、後発の勝率も5割である。だが、後発は一品目、一社ではない。梅澤氏の調査によると、新市場を創造した先発商品が発売後10年で100品目程度が後発参入するとのこと。品目ベースでは、後発は5割×1/100=0.5%である。先発の1/100の勝率である。

梅澤氏の研究をもとに、筆者が考えるに、成長市場において、参入した企業は複数の商品を発売するものだ。先発が有利か後発が有利かについては、参入社数ベースで勝率を判断すべきではないだろうか。そう考えると、梅澤理論は下記のように応用できる。

・先発の勝率=50%

・後発の勝率=50%×1/参入社

*10社参入なら5%、5社参入なら10%

応用しても、先発の有利は動かない。

後発逆転の条件

梅澤氏の統計調査は、著書「長期ナンバーワン商品の法則」で詳しく解説されている。
その本には、後発逆転の条件が示されている。必要条件と四つの制約条件がある。

・後発逆転の必要条件
……後発が先発と同等か、それ以上の商品力、販売力、広告力をもつこと

・後発逆転の制約条件
……①追いかけ効果が高いカテゴリーであること
(後発のほうが品質や機能がよいことが知られている)
……②大砲により逆転効果を発揮すること
(大量のマーケティング投資)
……③類似市場優位効果が期待できること
(類似市場の強者による市場力学)
……④先発のカテゴリー代表イメージ、ベストセラーイメージが確立する前に参入し、自社で確立すること

以上である。ランチェスター強者の基本戦略「ミート」は後発逆転の戦略である。その条件を整理してくださっている。ミートはシェア一位かつ大企業でなければ困難である。


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