2022年04月11日
森永ヒ素ミルク中毒や豊田商事の被害者救済に弁護団長、破産管財人として尽力し日本弁護士連合会会長となった弁護士の中坊公平。
バブル崩壊後は、政府に頼まれて整理回収機構の社長としてバブル処理にも貢献。
「平成の鬼平」ともいわれた人である。
その中坊さんが人を動かす3要素として語ったとされるのが
・正面の「理」
・側面の「情」
・背面の「恐怖」
である。
ポイントは
①正面、側面、背面の順番
②どれかが欠けていると成り立たない
ことである
社長が社員を動かすときにも、もちろん通用する。
オーナー社長は
背面の恐怖については強調しないことを注意すべきと思う。
大半の株式を保有する社長は社内で無敵である。
社員からすれば、存在そのものが恐怖である。
普通にふるまっているだけで威圧感がある。
何もしなくても背面の恐怖を与えていることを
オーナー社長は自覚してふるまったほうがよろしい。
正面の「理」、側面の「情」の順番が大切である。
「理」を中心に人を動かす。
「情」は「理」を補うものと位置付ける。
「理」とは論理である。
論理的なコミュニケーションをするうえで
有効なことは「数値」である。
言葉だけだと主観的、感情的になりがち。
聞く人によってとらえ方が違うことがある。
話す人によって相手の捉え方が左右される。
言葉だけの会話に数値を入れると
論理的、客観的、明確で公平となる。
たとえば
・なるべく早く →明日の11時まで
・できるだけやる →1日7軒訪問する
特にオーナー社長が社員を指導するときは
何とかよくなってもらいたいとの「情」があればあるほど
「恐怖」を与えやすくなる。
誤解のない数値を使って「理」の話にしてもらいたい。
「理」は明確なので逃げ道がなくなる。
詰将棋のように相手を打ち負かすことが目的ではないのだから
「理詰め」の話はほどほどにしなければならない。
結果の原因は理論的に追求したい。
だが、それは誰かの不手際を追及することが目的ではない。
追求と追及は違うことを知っておこう。
「情」は「理」を補うものである。