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提言63 売上構成比の注意点 スポット・コンサル事例

2022年04月18日 


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スポット・コンサルティング(経営相談)で
金属加工業のK社の社長の相談を受けた。

創業者の祖父の代から50年以上にわたって
大手メーカーX社の加工の仕事を直接受注している。
年商6000億円に迫る大企業グループである。
主力製品の世界シェアは1位である。

かつては売上の9割がX社の仕事だったという。
6年前に小さなM&Aを行い、現在は7割がX社の仕事である。

いま、X社の業績はよく、1兆円企業を目指すビジョンが示されている。
K社の仕事も増えている。
7割まで下がった構成比がじわじわと高まっている。

もっと早く、もっと安く、もっと高品質とのX社の要望に応えるために
人的にも、設備的にも、工場スペース的にも
目一杯の稼働をしている。

仕事がなくて困っている会社もあるなか
短期的にはうれしい悲鳴なのかもしれない。
だが、K社の社長は危機感を感じているから相談に来られた。

自社の売上に占める一つの顧客の構成比が7割もあると
経営の自主独立性は保たれない。
X社の仕事がなくなれば会社を守れないからだ。
では、どうすればよいのか?

顧客別売上構成比

自社の全売上を分母に、顧客別の売上を分子にすると
顧客別の売上構成比が算出できる。

筆者は最大の顧客の構成比が25%未満であることを推奨している。

万が一、四分の一を失っても多くの場合は何とか存続できるが
3割を失うと存続できない場合が多いからだ。

K社にはX社の売上構成比を25%未満にすることを目指すべきと助言した。
ただし、X社の仕事を減らすのではない。
いま、X社の仕事は増える傾向にある。
その傾向は維持しつながら

X社以外の売上を、X社の増加ペースを上回るスピードで伸ばしていく。

1.内部体制

2.開発体制

3.営業体制

の再構築について話し合った。

1の内部体制は、50年間、X社の社外工場のように仕事をしてきた。
X社の仕事の適した体制となっている。
X社以外の仕事を増やしていく体制に作り替えていく。

2の開発体制は、50年間、X社の仕事をしてきて培った加工技術を活かして
より上流の企画・開発の仕事を増やしていく。
受注業だけではなく自社開発の見込事業にも挑戦していく。

新規開拓売上比率

3の営業体制は、顧客を増やす「増客」と
増やした顧客の受注を増やす「増注」に取り組む。

新規開拓を重視する。
一年間の新規開拓の目標をたて、そのための戦略、戦術を磨き上げていく。

自社の全売上を分母に、一年間の新規開拓の売上を分子にすると
新規開拓売上比率が算出できる。

成熟産業の場合は
筆者は新規開拓売上比率5%を推奨している。

年商5億円なら2,500万円を一年間の新規開拓での売上とすることだ。
毎年5%増客し、増客した顧客の増注に取り組んでいけば
5年後の顧客別売上構成比は大きく変わる。

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