2021年08月09日
「原理原則」とは時代を超えて、業界を超えて、経営規模を超えて通用する「普遍の真理」である。
原理と原則は元々は別の意味の言葉だ。原理とは「物事の根本とその仕組み」である。原則とは「原理から導き出される多くの場合に当てはまる決まり」である。社長は、意思決定に迷ったら立ち返る原理原則をいくつか持っておくべきである。そのことは提言6で解説した。
>>https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/第6回_迷ったら立ち返る原理原則をいくつもってい
第一次世界大戦のときにイギリスで提唱された「ランチェスター法則」という軍事理論から、戦いの原理と勝ち方の原則を導き出して経営に応用して確立されたのが「ランチェスター戦略」である。今回は「戦いの原理」について解説する。
ランチェスター法則は、戦闘の勝ち負けは「武器の性能」と「兵力の数」の二つの要素で決定づけられるというものだ。ただし、二つある。一対一で戦う原始的なゲリラ的な戦いをする際には「第一法則」が適用し、近代的な戦いをする際には「第二法則」が適用する。その結論は以下の通り。
■第一法則
戦闘力=武器性能×兵力数
■第二法則
戦闘力=武器性能×兵力数の2乗
武器とは「質」の要素であり、兵力とは「量」の要素であるがが、武器とは何か、兵力とは何か。なぜ、第二法則は兵力数が2乗となるのか。詳細は拙著でご確認願いたい。どの本でも詳しく解説している。
兵力数の多い軍と、少ない軍が戦う。企業に応用すると大きな会社と小さな会社である。戦いや競争とは「大」と「小」で争われる。
●「大」は有利であるが、「大」だから勝つのではない。
「大」であっても武器が劣れば負けることはある。
●「小」は不利であるが、「小」だから負けるのではない。
「小」であっても武器が優れていれば勝つことはある。
つまり
戦いとは「強いものが勝つ」。
これが戦闘にも企業間競争にも適用する「戦いの根本」である。
では、その「強さ」とは何か。「戦いの仕組み」をランチェスター法則は示している。武器と兵力の掛け合わせである。質の要素と量の要素の掛け合わせである。ただし、第二法則が適用する近代的な戦い(企業間競争に当てはめると、総合的な戦い、物量的な戦い)の場合は兵力(量)が2乗となるので、勝ち負けは量で決定づけられる。原理から導き出された原則については別の機会に解説する。