2021年06月14日
社長とは意思決定業である。
わが社の永続的な繁栄のために、目指すべき方向を決定することが仕事である。社長には、決定の判断基準や考え方を磨き上げてもらいたい。
販売戦略や競争戦略のバイブルといわれるランチェスター戦略を専門とするコンサルタントとして、社長の参謀役として20年以上、企業の戦略づくりを支援してきた筆者(福永雅文)はその実体験を通じて「小さくても特定分野でナンバーワンになること」が企業の永続的な繁栄のために最も有効であると確信する。
社長の戦略づくりに役立つ判断基準と考え方を、この「社長の戦略」で提言している。
わが社の戦略を策定するために、社長は経営戦略理論の基礎知識をもたなければならない。世に様ざまな経営戦略の理論があることを知り、そのなかで自社や自身に合いそうなものを一つ選び、体系的に学ぶことを奨めている。一つの理論を習得しておけば、その後に、ほかの理論を知ったときも取り入れやすい。まずは戦略の基礎知識を身に着けることだ。
中小企業の社長が第一に学ぶべきものとしてランチェスター戦略を推奨する。なぜなら、ランチェスター戦略は「小が大に勝つ」思想であり、「特定分野でナンバーワン」を目指すことが結論であるからだ。科学的だがわかりやすく、実務が体系化されていて使いやすい。ゆえに多くの企業がこれまで活用してきた豊富な実績がある。だからバイブルと呼ばれている。
まずは、社長自身で学んでいただきたい。ある程度学んで、役立ちそうだと判断したら、幹部にも学ぶことを奨めるのがよい。社長と幹部でベクトルを合わせることが大切だ。
この原稿を読んでいる方は、既にランチェスター戦略についての予備知識はお持ちだと思う。予備知識のない初心者に対しては下記の5つを奨めてもらうのがよいと思う。