ランチェスター法則とは。ランチェスター戦略コンサルタントが解説。


提言56 営業活動を標準化する理由と標準化を妨げる理由

2022年01月17日 


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現在A社の「営業活動の標準化」について取り組んでいる。
弊社のコンサルティングのメニュー「オーダーメイドコース」である。

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営業は結果が大切である。
だが、結果だけを管理して叱咤激励すれば業績が上がるわけではない。
また、将来を担う新人や若手を採用し、育成し、定着させていかなければ企業は繁栄しない。

そのためには
よい成果に結びつくプロセスを定義して、営業活動の標準化を図るべきである。

こう考えたA社の社長より依頼があり
「営業活動の標準化」のテーマでコンサルティングを行っている。

営業活動を標準化する理由

昭和時代は市場が成長している業界が多く、多くの企業が終身雇用、年功序列だった。
30年前のバブル期に成果主義の人事制度が流行った。
そしてバブルが崩壊し、企業の方針も社員の意識も変わった。
転職することが当たり前で、成果が上げられればキャリアアップできる。
新卒が3年で3割辞める時代となった。

積極的に採用し、成果を上げられる営業員が残り、
上げられない営業員は去っていけばよいという
欧米型の会社と社員の関係に近づいてきた。
ところが労働人口(生産年齢人口)は95年にピークを迎え大企業はともかく中小企業は採用することが難しくなってきた。
大量に採用し、成果を上げられる営業員だけ残ればよいという考えは多くの中小企業では通用しなくなった。

多くの中小企業は採用が困難なうえに離職率が高い二重苦である。
なんとか採用した社員が離職することなく早く一人前になって活躍してほしい。

優れた業績を発揮する社員の考え方や活動内容を標準化して教育することで、成果を上げさせ、定着化を図る必要性が増した。
それが営業活動を標準化する理由である。
組織とは、そもそも、一人ひとりの活動の足し算以上の成果を上げるために、存在してい
る。
相乗効果という。

相乗効果を発揮させるには標準化が欠かせない。
標準化していないということは属人化しているということだからだ。
特定の人しかできないようでは相乗効果が発揮しづらい。

営業活動の標準化を妨げる理由と対策

日本企業の製造現場では徹底的に標準化され、生産性を上げてきた。
ところが、営業現場での活動の標準化は遅れている。
標準化を妨げる理由があるからだ。

その代表的な要因は次の三点である。

1 評価方法とのミスマッチ

2 合理性と人間性の追求

3 やり方を変えられない人への対策

1 評価方法とのミスマッチ
営業業務の標準化を指示するのであれば、営業員の評価方法もそれに合わせる必要がある

営業員に限らず、社員は評価基準に従って働くものである。
評価が業績のママでは標準化は進まない。
標準通りにやっていることが評価されなければ、標準化は進まない。
一般職の場合は標準通りに実施するプロセス評価に重きを置いた評価制度にすべきである。
営業所長クラスならプロセスと業績の比重は半々くらい。所長なのでプロセスも業績も、個人よりもチームの方に比重をかけること。

2 合理性と人間性の追求

業務の標準化とは合理性の追求である。一人ひとりの個性は後回しとする。そうすると機械の歯車のような気持ちになってしまう人も出てくるだろう。やりがいや自己肯定感が阻害されると退職の理由となる。

標準化を進めていくうえで、社員一人ひとりが掛け替えのない存在であることを社長は示し、管理者や社員に理解してもらう必要がある。

一人ひとりの人間性や成長意欲を重視する施策を同時に打つべきだ。その方法はいくつかある。別の機会に示す。

3 やり方を変えられない人への対策

標準化を進めるときに、新たなやり方を一方的に押し付けるのではなく、全員参加型でマニュアルをつくることが有効である。そのことは以前に提言した。

・全員参加型の営業マニュアルが有効である理由は第43回提言

・全員参加型の営業マニュアルの作り方については第44回提言

全員参加型で推進することで取りこぼしを極小化することができる。
それでも、なかにはやり方を変えられない人も出てくることもある。
人は本来が保守的なものだ。
長年培った自分のやり方を変えることはつらい。

取りこぼしを無くすためには
①1・2・3のやり方で標準化すれば、取りこぼしは極小化できる
②定期的に進捗確認のPDCAを回し、取りこぼしの状況を把握し、個別にミーティング
③標準化した方法で成果が上がったことを横展開していく

②のミーティングが勘どころとなる。
なぜ、標準化する必要があるのかを本音のところで理解してもらう。
業務の方法を変えることは、これまでやってきたことを否定することではない、まして人格否定することでは全くないことを理解してもらう。

会社や上司に対して負の感情があって反発していることもある。その場合は別途対策が必要である。

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