ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。


第8回 中小企業の事業開発は「守破離」で

2020年12月14日 

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コロナの影響で売上が大幅減となった会社がある。これから需要減が予測され来年が厳しくなりそうな会社もある。そんな経営の緊急事態に際し、従業員の雇用を守り、何とかしのごうと策を巡らせる社長がたくさんいる。ピンチはチャンスとばかりにいまこそ攻め時と考える社長もいる。

過去に黒字決算を積み重ねた立派な会社には、いま緊急事態に際し、M&A(企業買収)することで売上・利益を維持・拡大しないかとの話が寄せられていると聞く。また、これまで成長してきた会社の社長はエネルギーの塊のような人が多い。関心が外へ向き、次々とやりたいことのアイディアが沸き上がる。新事業の立ち上げを検討している。

そんな事業開発の相談にのることがある。事業開発については「アンゾフの成長ベクトル」という古典理論がある。ランチェスター戦略でも「市場参入戦略理論編」で取り入れて重視している。ただ、中小企業はその使い方の注意点があるので、今回はそれを解説しよう。

アンゾフの成長ベクトルとは

アメリカの経営学者のアンゾフは企業の成長の方向性(ベクトル)は4方向あると提唱した。製品と市場の2つの軸を設定し、それぞれ既存と新規に区分する。そうすると次の4方向の企業の成長の方向性は整理できる。

・既存の製品×既存の市場:①市場浸透戦略

・新規の製品×既存の市場:②製品開発戦略

・既存の製品×新規の市場:③市場開拓戦略

・新規の製品×新規の市場:④多角化戦略

第一の成長の方向性は①の市場浸透戦略である。本業をしっかりやることである。関心が外へ向きがちな社長は本業が疎かになりがちである。いま本業の分野はどうなっているのか。不況下はプレイヤーの退出もありうる。そのとき、退出するプレイヤーの顧客を獲得することができればシェアアップが図れる。ランチェスター戦略は市場浸透戦略を中心に実務体系化されている。

第二の成長の方向性は②の製品開発戦略である。コロナのいま、流れに任せると需要は冷え込む可能性が高い。いまこそ、顧客へのコミュニケーション活動を活発化し、需要を活性化させる必要がある。その武器となるのが新製品である。コロナだから必要とされるものはないか。

第三の成長の方向性は③の市場開拓戦略である。既存市場は需要が冷え込み、価格競争が激化しているなら、既存製品を新たな市場で売っていく市場開拓戦略に取り組む必要がある。新しい顧客層を開拓するための、自社製品の新しい用途はないか。ただし、いま新規開拓は①見込客の集客、②見込客・既存客のニーズを顕在化させるための情報提供活動を行うインサイド・セールスを中心に再構築すべきであることは第四回の提言で解説した。参照されたし。

https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/第4回_コロナ時代の営業改革2_訪問しない営業

第四の成長の方向性は④の多角化戦略である。本業とは異なる製品と本業とは異なる市場に販売していく新規事業を開発することである。

中小企業の成長ベクトル理論の使い方は「守破離」で

アンゾフの成長ベクトル理論を中小企業が使うときの注意点がある。第一に①②③④の順で考えることである。まずは①の市場浸透戦略をしっかりやる。次に②製品開発戦略、三番目に③市場開拓戦略を行い、最後に④の多角化戦略を検討する。多角化の新事業の前にやることがあるということだ。

守破離(しゅはり)という言葉がある。まずは守ること(市場浸透戦略)。守った後、既存の製品、既存の市場という枠を打ち破る(製品開発戦略/市場開拓戦略)。最後は既存の事業から離れる(多角化戦略)。

成長ベクトル理論を中小企業が使う第二の注意点は、製品軸も市場軸も周辺分野から優先的に考えることである。製品も市場も既存と新規の二つにすっきりと区分できるものではない。どちらともいいづらいグレーゾーンがあるものだ。

・周辺製品:既存製品の技術の関連性のある新製品

・周辺市場:既存市場と隣接する市場、既存顧客のニーズと近いニーズのある顧客層

こういった周辺製品から製品開発戦略、周辺市場から市場開拓戦略に取り組むのが原則である。多角化戦略も本業の周辺の事業であれば相乗効果が発揮しやすく人材の手当てもしやすい。本業と関係の薄い多角化事業は本業の力が通用しづらく、本業への貢献もなく、人の手当てもしづらい。

ヒト・モノ・カネの経営資源が乏しい中小企業は多角化戦略には慎重であるべきである。やるとしても周辺分野のものとすべきである。

今回はここまで。

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「社長の戦略」

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