ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。


第36回 目的と目標、戦略と戦術の違い

2021年07月05日 

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目的と目標、戦略と戦術。ビジネスでよく使う言葉である。だが、人によって解釈が異なることもあり、使い方があいまいになっている場合がみられる。会社の方針に係わる大切な言葉なので、統一した意味で使うべきである。同じ言葉を同じ意味で使うことを筆者は「共通言語」と呼んでいる。目的・目標・戦略・戦術はすぐに共通言語にしていただきたい。

目的の「的」は「まと」である。最終的に目指すこと、すなわち「何のためにやるのか」を示す。会社全体で考えると「会社が最終的に目指すことは何か? → 経営の目的は何か? → 何のために会社は存在するのか?」このような問に答えることである。理念や存在意義となる。目的は抽象的で概念的なことになる。

目標の「標」は道しるべの「しるべ」である。道路標識の「標」である。目的(何のためにやるのか)に向かって、期限を定めて、数値で達成水準を定めることである。すなわち「どこまでやるのか」である。

会社全体で考えると、大きな目標は「中期経営目標」である。3年後に売上100億円を目指す、といったことだ。この大きな目標に向けて、今期の売上目標がある。その目標に向けて、商品別・地域別・販売チャネル別・顧客層別・顧客別・自社の部署別・営業員別の目標にブレイクダウンされていく。目標は期限と数値で具体的にしなければならない。

目標を達成するために「何をやるか、シナリオを描き、資源を配分すること」が戦略である。シナリオとは山登りのルートのようなもの。いつ、どの地域の、どの販売チャネルの、どの顧客層の顧客に、何の商品を売るのかといったシナリオを描く。どの道筋をたどり、目標を達成するのか。

シナリオを実行するヒト、モノ、カネ、時間などの資源を最適に配分する。シナリオによって必要な資源が異なる。カネで時間を買うなど資源を交換する必要もでてくる。一方で資源によりシナリオも制約される。身の丈に合ったシナリオでなければ成り立たない。

いくら立派な目標を立てても、それを達成する戦略が描けなければ、目標は単なる願望となる。目標は戦略と一体で策定していくべきものだ。

戦術とは戦略シナリオ実行の手段である。何をやるのかが戦略ならば、どのようにやるのかが戦術である。どの顧客を狙うのかが戦略ならば、狙った顧客をどのように攻略していくのかが戦術である。商談スキルなど営業員の適正な活動内容である。
攻略がうまくても狙う顧客を間違えていては、その成果は限定的なものにとどまる営業において戦術とは活動である。営業員たちの日々の尊い努力を実り多いものに導くもの、それが社長や幹部の戦略である。

戦略が要である

立派な目的を掲げても、目標が達成されなければ、目的に近づいているとはいえない。優れた戦略を立てなければ目標は達成されないし、目的にも近づけない。優れた戦略を描いても戦術という活動を伴なわなければ絵に描いた餅である。

目的、目標、戦略、戦術は一体である。どれもなければ成り立たない。どれも成り立つことで相乗効果を発揮し、大きな成果が生まれる。しかし、売上や利益の目標はあっても、あとは現場が頑張れ! とハッパをかけているだけの会社が多い。テコイレ策として戦術強化に取り組む会社は少なくない。どのようにやるのか、営業員の訓練などである。無意味ではないが、何をやるのかの戦略こそが、目的、目標、戦略、戦術の要であることを忘れないでいただきたい。

ランチェスター戦略では市場特性(市場の時期が成熟期か、成長期か。市場の規模や成長性)と、競争地位(自社が弱者か、強者か)を見極めて、特定分野でNo.1になることを目指すことを戦略の基本に据えている。No.1になることが目的(理念)の実現につながるように整合性をとる。そして、目標を策定し、戦術を策定する。

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