2022年09月05日
社長はわが社を持続的に繁栄させるために、次々と打ち手を繰り出していかなければならない。打ち手とはプロジェクトである。すべてのプロジェクトを成功させたいと、どの社長も思うが、現実はそうはいかない。
前回の提言69で、うまくいかない理由に触れたうえで、成功のカギは7つあると申し上げた。そして
次の3つのカギについて解説した。
第1の成功のカギ 社長の不退転の覚悟
第2の成功のカギ 推進リーダーが盛り上げ雰囲気づくり
第3の成功のカギ ベクトルを合わせる
https://sengoku.biz/福永雅文のブログ/社長の原理原則/提言69_プロジェクト成功の7つのカギ1
上記の3つの成功のカギは、どんなプロジェクトにも当てはまる重要なカギである。残りの残りの4つの成功のカギは、プロジェクトの種類によっては重要ではないものもある。コンサルタントの筆者が係わることの多い営業のやり方をバージョンアップするのときに重要なカギである。
第4の成功のカギは「業務を標準化する」ことである。営業のやり方をバージョンアップするする基本方針を定めたら、その方法通りにやってもらう必要がある。結果さえ出せばプロセスは問わないとするなら、できる人はできるが、できない人はできないままである。
大切なことは「再現性」である。標準どおりのやり方でやれば、標準的(平均的)な成果が得られるようにするためには、プロセスを標準化しなければならない。
標準どおりにやって不具合があれば、報告してもらい、標準を修正していく。自己流を禁止すること。
第4の「標準化」とは論理の追求である。誰がやっても標準どおりにやれば標準的な成果が得られる。このことは一人ひとりの個性、自己表現、存在感といったことを後回しにすることである。極端にいうと人材を取り換え可能なものとしていく。そのことは人材の意欲を削いでしまう。社長の本意ではないだろう。
標準化の論理を追求するのなら、同時に一人ひとりが、かけがえのないの存在であるとの人間尊重の方針を示さなければならない。一人ひとりの人材に成長目標をもってもらい、上司がそれをサポートしていくことが有効である。
ナンバー1になることを結論的に重視しているランチェスター戦略コンサルタントの筆者は、一人ひとりの人材も何かの分野でナンバー1になることを自己の成長目標としてもつことを奨めてきた。
決めたことを遂行できなければプロジェクトは破綻する。決めたことは遂行する。遂行できないことをやろうとしない。やれることをやる。
ただし、チャレンジは必要だ。達成困難な目標を掲げ、果敢に挑戦することはよい。たとえば売上・利益といった結果の目標はそれでよい。
でも、訪問軒数や顧客あたり月間訪問回数といったプロセスは実現可能なものでなければならない。
そして、決めたことは完全遂行する。
プロジェクトは定期的に進捗確認する必要がある。PDCAである。PDCAのチェックとは、決めたことが遂行されているか。遂行されたことは成果が出たか、でなかったを把握する。次に成果が出た、その要因を整理する。成果がでない、または遂行できなかったことの要因を整理する。
PDCAのアクションとは、成果を伸展させるために何をすべきかを決めること。成果がでない、または遂行できなかった課題をどのように解決・改善するかを決めること。
ここで大切なことは、第一に成果の伸展を、第二に課題の解決という順番である。課題が気になる人が多いものだが、プロジェクトの成否はプロジェクトの進捗をいかに盛り上げるかである。このことは成功の第2のカギでもある。
長所と短所も同様である。第一に長所を、第二に短所の順で取り上げること。
成果伸長も課題解決も横展開を図ることが大切。それが組織の相乗効果となり、チームパワーを発揮
する。その積み重ねがプロジェクトを成功に導く。
ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文