2021年04月05日
いまコロナによりピンチに陥っている会社は多い。会社を守らなければならないが、経費削減だけの防戦一方では守り切れるものではない。
いまこそ、時流に応じた新製品の開発、新市場の開拓、新事業の開発などの積極策も検討すべきではないか。
ランチェスター戦略は「特定分野でNo.1になること」を最重要視しているので、多角化を否定していると思っている方もいるが、それは誤解だ。中小企業は本業と相乗効果を生みにくい事業への多角化には慎重であるべきだとの立場である。本業との相乗効果を生みやすい事業への多角化には前向きである。「飛び地」はやめたほうがよいが、「隣地」は前向きに検討していただきたい。
今回インタビューしたのは運送業の照栄グループの岡野代表である。同社も焼き肉店やフィットネスクラブの二つの「飛び地」事業はうまくいかなかったという。損切りして撤退した。一方、運送業の「隣地」事業はどれも順調に推移している。
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照栄グループの多角化の歴史について伺っていると、ミツバチの巣づくりが思い浮かんだ。ミツバチは六角形の部屋を積み重ねて大きな巣をつくる。同じ形状の部屋を積み重ねるには三角形と四角形と六角形しかない。
なかでも六角形は面積が一番広いので軽く、外からの力を分散させるので衝撃吸収性が一番強い。軽くて丈夫なので航空機の構造にも使われる。ハニカム構造という。本文の図2は筆者のイメージから六角形で表現した。
ミツバチが一部屋ずつ巣を拡げていくように、照栄グループは周辺分野を自社の陣地にしていったことで景気や値下げ圧力や人手不足といった衝撃を吸収し、丈夫な組織をつくった。そして育まれた命のなかから、上場を目指す事業が育っている。