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コロナ、需要減・価格競争、IT化・ネット化の
乱世に生き残り、「小が大に勝つ逆転」を目指す社長のために
19社のコンサル事例で解説する
中小企業の社長のためのランチェスター戦略の本が
社長専門の教育機関の日本経営合理化協会より刊行。
「小が大に勝つ逆転経営」
弱者19社を業績向上させた社長のランチェスター戦略
【実録】弱者19社を業績向上させた、中小企業の生き残り策
著者:福永雅文
競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」を、中小企業の社長がどのように使っていくか。ランチェスター戦略コンサルタントとして20年以上の経験をもつ筆者が、19社のコンサルティングや経営相談の事例を元に、いま、社長が知っておくべき市場攻略・営業戦略の勘どころを明示。
コロナ、需要減・価格競争、IT化・ネット化の乱世に、会社を生き残らせるための「勝つための原理原則」を説いた社長必読の書。
序章 GAFA時代のランチェスター戦略
第1章 差別化戦略 他社と違う自社のつくり方
第2章 一点集中主義 5大戦法の組み合わせ方
第3章 ナンバーワン主義 市場シェアを算出し戦略を立てる
第4章 地域戦略 中小企業が地域ナンバーワンになる方法
第5章 チャネル戦略 チャネルを制するものが市場を制する
第6章 シェアアップ戦略 目標、戦略、ターゲット
第7章 営業戦略1 攻撃力の増大のための社長の勘どころ
第8章 営業戦略2 新規開拓の仕組みを導入する
終章 ランチェスター法則から導き出される戦いの原理と勝ち方の原則
はい、役立ちます。
コロナにより営業の訪問活動も制限されるなか、営業の方法や仕組みや体制を改革したい旨の相談が筆者のもとに相次いでいます。その知見を本書に活かし、第7章の「訪問しない営業方法」を強化しました。
「いつの時代のどんな業界でも通用する原理原則は踏まえながら、時流に合わせた打ち手を講じていけば繁栄の可能性は高まる」それが、ランチェスター戦略コンサルタントとしての筆者の考えです。
ランチェスターの原理原則と社長の意思決定の勘どころと、コロナ時代の営業改革について出版記念 無料メールセミナー「社長のランチェスター戦略とコロナ時代の営業改革」で解説しています。
確認の上、役立ちそうなら拙著「社長のランチェスター戦略 小が大に勝つ逆転経営」をお読みください。
はい、通用します。
本書の「はじめに」でも書きましたが、ソフトバンクもGMOインターネットも創業の頃からランチェスター戦略の影響を受けた経営戦略で成長してきました。
本書の事例2はネットビジネスで上場を目指すベンチャー企業に筆者がコンサルティングした事例です。事例1は逆にアマゾンをはじめとするネット通販に顧客を奪われつつある建材の販売店に対抗策を助言した事例です。
ランチェスター戦略はIT企業の戦略にも活かせますし、ネット通販などに侵食されつつある伝統産業やAIの発展とともに衰退していく営業員がどうしていくのかについても活かせるものです。
時代を超えて通用する原理原則と、時流に合わせた最新の経営手法の両極を併せ持ちながらコンサルタントとして企業の繁栄を支援してきた筆者の集大成が拙著「社長のランチェスター戦略 小が大に勝つ逆転経営」です。
小が大に勝つ逆転経営は可能であり、それを指揮する社長の実務の勘どころを伝えたくて本書を執筆しました。
コロナが来る前から、国内の市場は縮小傾向にありました。伝統的産業はIT系産業に浸食されつつありました。そこにコロナが襲ってきて消費が急減し、トリプルパンチの競争下は一般に大手の寡占と弱小の淘汰が進みます。
一方で、環境が激変する乱世は、これまでの常識が通用しなくなり、下剋上が起きるものです。このピンチをチャンスに変えるのに役立つのが「小が大に勝つランチェスター戦略」です。ランチェスター戦略を経営に取り入れることで逆転経営を果たしていただくために拙著「社長のランチェスター戦略 小が大に勝つ逆転経営」を執筆しました。
社長専門の手作り本だからです。
本書の発行元は、社長専門の教育機関の日本経営合理化協会です。同会は社長専門に書籍、教材、セミナー、コンサルティングを行っています。
社長とそれに準じる方しか読者対象としていませんから発行部数は多くありません。また同会は発行点数も少なく、一冊一冊に時間をかけて丁寧に手作りのようにつくります。
本書も企画から発行までに2年以上かけて完成しました。高いように感じられるかもしれませんが、発行元にとっては標準的な価格です。
社長を補佐する役員幹部、特に営業部門長、または社長に助言する立場の方、そして社長を目指す方なら、読む意味はあります。
社長のために書きました。社長にしかできない意思決定や、社長の営業戦略の勘どころや、社長が情報を大づかみする方法などです。社長に読んでいただきたいと思います。社長以外の方は社長の営業戦略がどういうものなのかを理解することに役立ちます。
起業本ではありませんが、役に立ちます。
ソフトバンクの孫さんもHISの澤田さんも起業時にランチェスター戦略の本を読み、自社の戦略の柱に取り入れ、成功されました。
筆者はHISの澤田秀雄社長が設立し、理事長を務める次世代リーダー(起業家や政治家)を養成する教育機関「澤田経営道場」で設立時から講師と応募者の面接官を務めて参りました。2020年より同機関を運営する公益財団法人SAWADA FOUNDATIONの理事となりました。それは澤田理事長が起業家はランチェスター戦略を学ぶべきだと考えているからだと思います。
このようにランチェスター戦略は起業家に役立ってきていますから、拙著「社長のランチェスター戦略 小が大に勝つ逆転経営」も役立ちます。
筆者が実際に行った中小企業のコンサルティング事例19件を用いながら、社長が営業戦略を実践していく勘どころを解説する本なので、他とは異なります。
ランチェスター本のほとんどは、ランチェスター戦略の理論を解説するために適切な企業事例をあげています。わかりやすい消費財が中心です。企業の成功事例をランチェスター戦略理論に照らし合わせて分析することが多いです。
本書のアプローチは逆です。課題を抱える企業が、どのようにランチェスター戦略を活用し、改革や改善をしていったのかを解説しています。
IT系と伝統産業、生産財(BtoB)と消費財(BtoC)、見込事業と受注事業、メーカーと卸売・販売会社と小売業、社歴の古い会社と新興の会社、年商10億円までの零細規模と100億円までの中小規模と100億円超の中堅規模、都会の会社と地方の会社、とバランスを考慮して事例を選定しました。貴社に近い事例があるのではないでしょうか。
読者の会社が、筆者からコンサルティングを受ける疑似体験をしていただく趣旨でコンサルティング事例を書きました。そのことを誌上コンサルティングと呼んでいます。
貴社に近い経営課題を抱える事例があると思います。自社のことに置き換えてお読みいただくことで改革や改善のヒントを得ていただければ幸いです。
直接、筆者に質問や相談をしたい方はメールをください。福永本人から返信します。
細分化して捉えれば、打開策は見つかる可能性が高まります。
売上や利益の落ち込みを全体として捉えていても、打開策は見つかりにくいものです。顧客別、顧客層別、用途別、商品別、価格帯別、地域別、販売チャネル別、担当者別に細分化して捉えてみましょう。どの分野が落ち込んでいるのか、横ばいか、増えているのか。また、売上が落ち込んでいることが利益減の要因か、利益なき売上なのかも整理します。
打開策は、赤字が垂れ流し状態の分野は止血し、強いところをより強くする順で考えます。
ランチェスター戦略の基本思想は、①スモールマーケット・ビッグシェアの原則(市場を小さく括って大きなシェアを確保する)、②ステップ・バイ・ステップの原則(小さな勝利を積み重ねる)、③勝ち易きに勝つ原則です。
これらの基本思想をもとに、物事を細分化して捉えることができれば、さまざまな打開策を考えることができるでしょう。
ランチェスター戦略の基本思想についてはメールセミナー「社長のランチェスター戦略とコロナ時代の営業改革」で解説しています。ご興味あればお読みください。
正しく導入すれば、成功の可能性は高まります。
あらゆる病気にも効く万能特効薬がないのと同様に、これさえやれば、どんな会社も成功するというものはありませんが。
「いつの時代のどんな業界でも通用する原則は踏まえながら、時流に合わせた打ち手を講じていけば繁栄の可能性は高まる」それが、ランチェスター戦略コンサルタントとしての筆者の考えです。
正しく導入すれば、成功の確率は高まります。
拙著「社長のランチェスター戦略 小が大に勝つ逆転経営」は厳しい経営環境下で勝ち残った企業へのコンサルティング事例でランチェスター戦略を解説しています。導入を検討されている社長なら、お奨めします。
「小が大に勝つ逆転経営」
弱者19社を業績向上させた社長のランチェスター戦略
【実録】弱者19社を業績向上させた、中小企業の生き残り策
著者:福永雅文
競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」を、中小企業の社長がどのように使っていくか。ランチェスター戦略コンサルタントとして20年以上の経験をもつ筆者が、19社のコンサルティングや経営相談の事例を元に、いま、社長が知っておくべき市場攻略・営業戦略の勘どころを明示。
コロナ、需要減・価格競争、IT化・ネット化の乱世に、会社を生き残らせるための「勝つための原理原則」を説いた社長必読の書。
市場の縮小、モノ余りに加え、新型コロナでの急激な消費の落ち込み…需要が縮小するとき、大手の寡占と弱小の淘汰が進みます。何も手を打たなければ、中小企業は淘汰、廃業のリスクが高まっていきます。
そのような中、小が大に勝つ「ランチェスター戦略」を経営に取り入れて、強者に飲み込まれることなく、売上・利益をしっかりと出し続けている会社があります。
本書は、著者が実際に手掛けた弱者19社の成功事例をあげて、小が大に勝つためのランチェスター戦略をわかりやすく解説するものです。
そもそもランチェスター戦略が、なぜ中小企業に向いているのか
第1に、「小が大に勝つ弱者逆転」に重点をおいていること
第2に、数値目標があり、具体的な数値で物事を判断すること
第3に、実務体系があり、成功実績が多数あること
実際、起業した頃にランチェスター戦略を活用して、大をなした企業名をあげれば、きりがありません。
類書が多数発刊されているなか、本書は何が違うのか。それは、中小企業の社長がランチェスター戦略を実践するときの勘どころを、著者から直接コンサルティングを受けている感じで読んで頂けるところです。
ますます競争が激化する中、社長が陣頭に立って、自社を守り、さらなる成長を推進するために、本書の購読を強くお薦めします。
~戦略の失敗は戦術では取り返せない~
社長とは意思決定業である。
ただし、個々の商談のすすめ方などあらゆる実務を社長が1人で決めているようでは、時間がいくらあっても足りないし、社員も育たない。社長は大切なことのみを決めればよい。それは自社を永続的に繁栄させるために「何をやるか」と「何をやらないか」である。
どの市場の、どの顧客層の、どのようなニーズに対応した商品を売るのか。どの地域に、どの販売チャネルで売るのか。そして、自社は何でナンバーワンになるのか。逆に、何を切り捨てるのか。目標を定め、実現するためのシナリオ(道筋)を描き、社員のベクトルを合わせ、ヒト、モノ、カネほかの経営資源を調達し、最適に配分する。この戦略を定めることが、社長の最も重要な決定事項である。
戦略の失敗は戦術では取り返せない。
優秀な社員がどんなに奮闘努力しても、社長の戦略が間違っていては、その努力は実らない。社員の尊い努力を実り多いものに導くもの、それが社長の戦略である。
たとえば、営業員は売上を求めて努力している。ただし、売上であれば何でもよいということではない。地理的に広い範囲に顧客を点在させてしまうと、後のフォローが不充分となり、営業員の努力は報われなくなる。社長は社員を正しい方向に導かなければならない。
日本は人口縮小局面に突入した。消費財はもちろんだが、産業財も国内需要は縮小していく。需要が縮小するとき、一般に大手の寡占と弱小の淘汰が進む。中小企業は淘汰、すなわち廃業のリスクが高まる。いまこそ中小企業の社長は、世の中の景気や需要動向がどうあれ自社の売上を伸ばす「小が大に勝つ」戦略思想を身につけ、自社の永続的な繁栄を勝ちとらなければならない。
そこで、本書で学んでいただくのが、中小企業の営業や販売の強化に効果がある理論と実務体系の「ランチェスター戦略」である。多くの企業がこれを学び、自社の戦略づくりとその推進に活用し、成果をあげてきたことから「競争戦略・販売戦略のバイブル」といわれる。
いまでは大企業のソフトバンクや旅行会社のHIS、APAホテルなども零細な規模であった創業期からランチェスター戦略を自社の戦略づくりに活用してきている。インターネット関連産業のGMOの企業理念には「インターネットの産業の中で圧倒的〝1番〟になる。マーケティングは『ランチェスター戦略』をベースに行動する。」と記載されている。
ランチェスター戦略は、ライバルがあり、それに勝ちたいと望むならば、ネットで世界中の人々がつながる時代であろうと、どのような市場環境であろうと、業種業態がどうであれ、規模の大小を問わず通用する経営戦略理論である。
大企業でも使っているが、中小企業に向いている数少ない理論である。なぜなら、コンサルタントの田岡信夫先生(1927~1984)が日本の中小企業を指導する実務の中で確立したもので、「小」が「大」に勝つことに重点を置いているからだ。つまり中小企業がさらに発展していくために必要な戦略理論といえる。
実際、田岡先生の没後、多くのコンサルタントが指導原理に取り入れてきた。たとえば、船井幸雄氏の地域一番店戦略や数理マーケティングは田岡先生の理論を取り入れている。一倉定氏の販売戦略もランチェスター戦略を取り入れている。一倉氏の著書『一倉定の社長学 市場戦略・市場戦争(1985年、日本経営合理化協会刊)』には田岡先生への謝辞が掲載されている。
私は社会に出てから一貫してマーケティングの仕事をしている。ランチェスター戦略のことは多少は知っていたが、本格的に勉強を始めたのは社会に出て11年目の1996年である。田岡先生の遺志を受け継ぐ、特定非営利活動法人ランチェスター協会で勉強する機会を得た。研究と実践を重ね、99年にコンサルタントとして独立。以降、ランチェスター戦略を指導原理としたコンサルタントとして仕事をしている。
2005年に始めての著書が発行され、所属しているランチェスター協会では理事研修部長に就任(12年以降は常務理事)。講座やテキスト作成の責任者となる。ランチェスター戦略の専門家として、企業のコンサルティングだけでなく、ランチェスター戦略を教えるインストラクターを養成する立場になった。
本書は、私の12冊目の著書である。また、私以外の類書も多数発刊されている中、本書は何が違うのか。それは、私が実際に行った中小企業のコンサルティング事例を19件用いながら、ランチェスター戦略を実践する勘どころを社長向けに解説していることである。
本来、戦略は「秘すれば花」である。激しい競争を戦っている私の顧客企業への守秘義務があるので、実名は出せない。仮名でもわかりそうな場合は、業界など諸条件を多少変えているが、あくまでも実際のコンサルティング現場を元にしている。上手くいっている話ばかりではないが、そこからお気づきになることがあるかと思い載せている。
本書は序章と本編8章と終章で構成している。
ソフトバンクをはじめ今日の花形企業のなかで、いまもランチェスター戦略が活かされていることは既に触れた。そうはいっても、インターネット登場以前にパソコンすらも日常的な存在でなかった昭和時代に確立した販売戦略が、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が市場を支配する令和時代に通用するのかと思う社長もいるかもしれない。
そこで序章で、私がコンサルティングした2社の事例を紹介する。[事例1]はGAFAに顧客を奪われつつある販売店である。[事例2]はネットビジネスで上場を目指す会社である。これを読んでもらえれば伝統的産業がGAFA時代に生き残るために、またIT系など新しいビジネスモデルの企業が競争に勝つためにランチェスター戦略をどう活用するのか、イメージできるだろう。
本編は、私のコンサルティング事例を用いて理論と実務を解説していく。序盤の3つの章は戦略の基本を解説する。中盤の第4章から第6章はナンバーワンのシェアを目指す実務の体系を解説する。終盤の第7章と第8章は営業の実務を解説する。
ランチェスター戦略のルーツである「ランチェスター法則」とは何か、そこから導き出された「戦いの原理」と「勝ち方の原則」とは何かについては終章でおさえておいた。ルーツから学びたい方は、序章の後に終章を読み、それから第1章から順に読んでいくとよいだろう。次ページの図は、本書のおおまかな流れを示している。
社長であるあなたに、私が誌上でコンサルティングを行う意図で企画された本書が、御社の競争戦略づくりのお役に立てば幸いである。
2020年8月
福永 雅文
序章 GAFA時代のランチェスター戦略
・GAFA時代にランチェスター戦略が通用するのか
・気がつけばライバルはアマゾン【事例1 建築工具と建材の販売店 丸田】
・ネットベンチャーのランチェスター戦略の活用【事例2 不動産情報サイトREI】
・ランチェスター戦略は不易流行
第1章 差別化戦略 他社と違う自社のつくり方
1 弱者の戦略と強者の戦略を使い分ける【事例3 化粧品メーカー ぷるる】
・弱者の「差別化」と強者の「ミート」
・頂上作戦でライバルを封じ込める
・強者のミートにどう対応するか
2 弱者と強者を定義する
3 社長の差別化の実務1「2M4P」
・差別化に取り組む6つの視点
・Mission(理念、ドメイン)の差別化【事例4 岡谷牛乳販売店】
・価格の差別化とは安売り競争にあらず
・「2M4P」をぷるるで解説
4 社長の差別化の実務2「価格のピラミッド」【事例5 観葉植物のリース業 葉山園】
・基本価値と2つの付加価値
・凡事徹底で基本価値を向上させる
・基本価値では差別化できない場合
・情緒的付加価値を高めて圧倒的な差をつける
・機能的付加価値が新規客獲得の武器
5 社長の差別化の実務3「2つの満足水準」と「5つの差別化構成要素」
・許容水準と期待水準
・5つの差別化構成要素
第2章 一点集中主義 5大戦法の組み合わせ方
1 一点集中主義=量の優位を築くために集中する【事例6 住宅リフォーム 山本工務店】
・住宅リフォーム業の地域ナンバーワン戦略
・「定期ポスティング→小工事→定期訪問→大型工事」の勝利の方程式
・他社のチラシで自社に引き合いがくる
2 弱者の「一点集中主義」3つのポイント
・集中とは量的優位
・集中とは優先順位づけ
・勝ち易きに勝つ
・強者の「総合主義」
・弱者と強者の5大戦法
3 「一騎打ち戦」で競合対策を行なう【事例7 建設設備メーカー 和田工業】
・足下の敵が大きすぎる
・陽動戦的な差別化でシェア20%の2位に
・あなどれない地場業者
・先発は受注の最短距離、そのための定期訪問
・ライバルそれぞれに競合対策を行なう
・シェアアップの時間を買うM&A戦略
・勝ったほうを公認する自民党──強者の確立戦
4 顧客に近づく「接近戦」と、接近戦の前に決着をつける「遠隔戦」
・接近戦と集中と差別化は三位一体
・強者の遠隔戦、その2つの方策
・弱者は自ら売り切る「川下作戦と源流営業」
・インターネットは弱者逆転の武器
5 弱者は絞り、強者は広げよ
・地理的に狭い範囲、局地的な地域、局地的な事業領域
・東京は捨てましょう
6 弱者のゲリラ戦と、強者の先手必勝作戦
・「陽動戦①」強者体制を破壊する革命戦
・「陽動戦②」強者が面倒くさがる仕事に活路を見出す
・「陽動戦③」戦略は秘すれば花
・「誘導戦①」先手必勝
・「誘導戦②」自社に有利な土俵に誘導する
・「誘導戦③」需要の喚起
第3章 ナンバーワン主義 市場シェアを算出し戦略を立てる
1 シェアが利益を決定づける【事例8 機械工具商社 愛川商事】
・シェアを増やせば利益が増える
・高シェア企業は同業他社の3倍の利益が出ている
・売上は値引きで増やすものではない。戦略で増やすもの
2 シェア把握の3点攻略法
・ライバルはシェアを知らない
・同じ会社にも弱者の営業所と強者の営業所がある
・顧客の未来価値を評価する
3 市場シェアの科学~勝ち負けを数値で押さえる
・7つのシンボル目標値
・三一の法則と射程距離
・4つの競争パターン
4 「足下の敵」攻撃の原則
・レース型競争原理と勝負型競争原理
・叩くべきは1ランク下位企業
5 販売目標のゴールはナンバーワン
・日本で2番目に高い山は?
・ナンバーワンとはダントツの1位
・弱者のナンバーワン主義とは一点集中主義
6 販売目標にシェアを加える【事例9 食品メーカー 上杉食品】
・製造計画はあっても販売戦略がないメーカー
・優先順位をつける判断基準
7 社長のシェア把握の基本方針
・数量のシェアと金額のシェア、フローのシェアとストックのシェア
・シェアを算出する5つの基本方針
8 社長のシェア算出の実務 手に入る情報から推測する方法
・シェア算出の実務①──社内情報とTAMの勘どころ
・シェア算出の実務②──統計資料の勘どころ
・シェア算出の実務③──特に分散事情で有効な各社の力関係を示す指標
・3点攻略でシェアを推計する
第4章 地域戦略 中小企業が地域ナンバーワンになる方法
1 地域を絞ることで地域ナンバーワンに【事例10 小規模保育所 バンビ園】
・地域戦略の重要性に気づいた玉井園長
・地域を細分化し、重点化することで一番園に
・バンビ園の地域ナンバーワン戦略
・なぜ地域を絞ると儲かるか
2 地域戦略の基本方針と地域区分法
・弱者のナンバーワンづくり
・強者は中心から外へ、弱者は周辺から中心へ
・商圏、テリトリー、都市圏
・経済圏と境目地域
3 テリトリーの再編【事例11 消費財メーカー 柏原】
・シェア8%の5位の圏外弱者の地域戦略
・シェアの高い姫路を突破口にする
・山陽道を制するものが大阪を制する
・コストを削減しながら売上を維持する方法
4 支店・営業所のテリトリーと店舗の商圏区分
・全国のブロック区分法─支店のテリトリーの決め方─
・営業所のテリトリーの決め方─ルートセールスと案件セールスとでは異なる─
・都市圏内のミクロの区分法─駅と学区─
5 30分圏内に7割の顧客をつくれ【事例12 高田保険事務所】
・月間3000キロ運転で事故
・理想の実現のために地域を重点化する
6 「地域戦略」社長の実務指揮の要点
・[ステップ1]商圏・テリトリーの把握
・[ステップ2]顧客マップの作成と商圏・テリトリーの再編成
・[ステップ3]テリトリーの細分化と重点エリアの設定
第5章 チャネル戦略 チャネルを制するものが市場を制する
1 見込事業の川下作戦、受注事業の源流営業【事例13 システム開発 カイトシステム】
・販売網をつくっても売れない
・弱者は自ら売り込む力をもて【事例14 建材メーカー 自然堂】
・どちらの展示会に出展すべきか
・見込事業の川下作戦、受注事業の源流営業
・売れないものを売れるものにしていく「セルアウト」活動
2 チャネルの差別化──5つの販売チャネル
・チャネルを制するものが市場を制する
・弱者がやるべきチャネルの差別化と盲点チャネル
・5つの販売チャネル
3 直接販売と間接販売、どちらを選ぶか
・n段階チャネル、卸商社と直需商社
・間接販売業者の3つの機能と、直接販売のメリット
・直接販売か、間接販売か。その向き不向き
・直間比率の差が、利益の差になる【事例15 北山印刷】
・直間比率は社長直轄の戦略
4 商社タイプ別の攻略法
・4つの商社タイプ
・権利を主張しても義務を果たさないのが商社
・ルートセールスの商社か、案件セールスの商社か
5 社長がやるチャネル戦略の実務
・卸商社・1次卸売業者内シェアの目標値
・チャネル戦略の基本項目の分析
・商社への4つの基本活動
・チャネル戦略、社長の勘どころ
第6章 シェアアップ戦略 目標、戦略、ターゲット
1 戦略策定事例【事例16 副資材の卸商社 大木商会】
・3年後に1位を目指す
2 カバー率──シェアを決定づける量の要素
・カバー率と顧客内シェア
・「カバー率」で取引の拡がりをチェックする
3 ランチェスター式ABC分析──顧客内シェアの捉え方
・一般のABC分析の限界と拡販余地
・ランチェスター式ABC分析……需要規模×顧客内シェアの2軸で顧客を格付ける
・ABCの軒数と担当者の適性
・ダイヤモンド型営業
4 顧客の戦略的格付け法
・攻撃の方針=守る、攻める、育てる、見極める
・攻撃の量
5 シェアアップ戦略のシナリオをつくる
・取引の深さを示す「Aa率」
・「構造シェア」=シェアアップ戦略づくりとターゲット選定の切り札
6 大木商会の目標、戦略シナリオ、ターゲット顧客、行動計画
・大木商会の構造シェア
・どの相手を攻略ターゲットにするか
・大木商会の行動計画
・簡易版 顧客の戦略的格付け
第7章 営業戦略1 攻撃力の増大のための社長の勘どころ
1 営業部門をどう立ち上げるか【事例17 電機部品メーカー 三和ライト】
・営業員の「適性(人材の質①)」
2 営業員攻撃力の法則
・営業を科学的に捉える
3 営業活動の質を高める
・営業員の「やる気(人材の質②)」の源は理念
・社員の3つの働き甲斐
・理念、戦略と4つの評価項目
・「知識(人材の質③)」はあっても売れない営業員
・「スキル(人材の質④)」とは知識を活用する能力である
4 戦略の質を高める
・会社、営業所、営業員の「戦略」
・社長の1つめの勘どころ「市場の情報管理」
5 訪問しない営業方法
・社長の2つめの勘どころ「活動の管理」
・AI時代の営業
・商談以外のコミュニケーション
6 「活動の量」を増やす
・営業員の攻撃量の法則
・3つの訪問種類
・「定期訪問」のアポの取り方
・訪問計画の予実管理
・1日、2~3時間しか顧客と会っていない
・社長が見守るべき攻撃力アップの3点
・社長を先頭に全社訪問体制を確立せよ
第8章 営業戦略2 新規開拓の仕組みを導入する
1 誰でも成果を上げられる新規開拓の仕組み
・新規開拓を行なう本質
・商談プロセスの見える化
・新規開拓のターゲティング
2 新規開拓 4回訪問の原則
・案件の発掘=アプローチとヒアリング
3 顧客の購買意思を後押しする商談の進め方
・顧客が自ら納得するプレゼン
・顧客担当者の社内調整を手伝うクロージング
4 営業成果を高める「商談プロセス管理」
・社長の3つめの勘どころ「商談プロセス管理」
5 展示会来場者への新規開拓【事例18 計測機器メーカー テクノ測量】
6 営業チーム攻撃力の法則
・相乗効果を発揮させる方法
・相乗効果を上げる「チーム営業」のやり方
7 営業の分業制【事例19 南部オフィス】
・フロント営業、ラウンド営業、バック営業の3ステップ
・全員参加のセールスマニュアルづくり
終章 ランチェスター法則から導き出される戦いの原理と勝ち方の原則
1 戦闘の科学 ランチェスター法則
・勝ち負けは、「武器の性能」と「兵力の数」で決まる
・「原始的・ゲリラ的な戦い」と「近代的な戦い」
・相乗効果とは──工場の生産性向上運動で考える
2 戦いの原理、勝ち方の原則
・ビジネスは戦である
・戦いの原理~強いものが勝つ~
・「大」の勝ち方の原則
・「小」の勝ち方の原則
・効果・効率の原則──効果を上げてから効率を上げる
3 ランチェスター法則を経営に応用する
・武器と兵力を経営に置き換えると
4 7つのシンボル目標値の成り立ち
・クープマンモデルと田岡・斧田シェア理論
福永さんが三十代の頃、私が夫田岡信夫の本を貸してあげると、間もなく返してきて、次の本を借りて帰ることを繰り返しました。結局、田岡の本七十冊テープ六十本のすべてを学んだのです。田岡は戦後の日本が諸外国に負けないように「ランチェスター販売戦略」を考えました。その精神が後継者である福永さんに伝わっていると、本書を読み、感じました。今後は益々、社会のため、日本経済のために力を尽くして欲しいと願っています。
創業の頃、田岡信夫さんのランチェスターの本を読んでナンバーワンになることの重要性とその方法を学び、HISの事業発展に大いに役立った。次世代リーダーにもランチェスター戦略を学んでほしいと思い、私が立ち上げた澤田経営道場では座学研修に取り入れ、福永さんに担当してもらい、道場を運営する財団の理事にもなっていただいた。道場で福永さんたちに学んだ若者がいま、各界で活躍し始めている。本書は読者の事業にも役立つだろう。
ビジネスとは、和訳すると「商売」ではなく「戦」だ。「戦」に勝つには戦略が重要となる。私は、今から16年前に福永さんに学び「GMO流ランチェスター戦略」を確立した。現在もこれをベースに行動している。No.1を目指す経営者ならば、福永さんの書かれた本書を読まれることを奨めしたい。
創業当時は売上さえ上がれば何でもやればよいと思っていた。ところが、特定市場で1位でなければ広告、営業、採用などあらゆる面で多大なコストがかかり利益率が低い。1位以外は弱者ということを身をもって経験した。ベンチャーの勢いをすっかり無くした創業7年目に福永先生のランチェスター戦略に出会って戦略を一から見直した。その後、福永先生に助言してもらい業界No.1となった。驚くほどの利益率となり株式上場した。
本書は我々経営者にとっての良き教科書である。福永先生には10年前から南アルプス市商工会の若手経営者塾でご指導いただいております。本書の中にも先生のご指導を受けた塾生が発想の転換をして業績を伸ばした事例が載っています。我々経営者はこの苦難の時期だからこそ、本書で「逆転の発想」を学び、小が大に勝つ経営を志していくべきでしょう。
福永雅文(ふくなが まさふみ)
ランチェスター戦略コンサルタント
戦国マーケティング株式会社 代表取締役/NPOランチェスター協会 常務理事・研修部長/ランチェスター戦略学会 常任幹事/公益財団法人SAWADA FOUNDATION 理事
「小さくても特定市場でダントツのナンバーワンになることが企業の永続的な繁栄のために最も有効である」ナンバーワンを目指す企業の戦略づくりの方法を指導し、社長の戦略の決定に助言するコンサルタント。「No.1戦略マニュアル(教科書兼ノート)」を用いて、戦略策定の仕組みを導入するコンサルティングを行う。
営業部門・拠点ごとに市場占有率を把握し、シェアと売上・利益を向上させる目標・戦略・行動計画を策定しPDCAを回す仕組みを導入。集客・営業の「武器」づくりのノウハウを提供。その指導原理は我が国の競争戦略のバイブルともいわれるランチェスター戦略。
1963年に広島県呉市で生まれ、86年に関西大学社会学部卒、以降は東京在住。マーケティング関係の仕事を経て99年にコンサルタントとして独立。小が大に勝つ「弱者逆転」を使命とし、ビジネス戦国時代を生き残る知恵を提供する意図から社名に「戦国」とつける。歴史に学ぶリーダーシップ(戦略的思考と人間的魅力)についても著述や研修を行う。
HISの澤田秀雄氏が立ち上げた起業家や政治家を育成する澤田経営道場の運営母体で理事を務めるほか、さいたま市の外郭団体や南アルプス市商工会などで若手経営者・リーダーの育成機関で講師を務める。NPOランチェスター協会では2005年以降、研修部長として講座とテキストの責任者を務め、後進のインストラクターの養成も行う。
連絡先:戦国マーケティング株式会社 info@sengoku.biz