原点を知って理解を深める
1.F・W・ランチェスター(人物)について

F・W・ランチェスター(フレデリック・ウィリアム・ランチェスター)
第一次世界大戦の頃、イギリス人のエンジニアF・W・ランチェスターは戦闘機の開発に従事していました。彼は自分が開発した戦闘機が戦闘でいかなる成果をあげるのかに興味を持ちます。研究した結果、兵力数と武器性能が一軍の戦闘力となり、敵軍に与える損害量を決めることを発見します。これがランチェスター法則です。第一・第二の二つから成り立ちます。このランチェスター法則がランチェスター戦略の原点です。
第二次世界大戦のとき、アメリカ軍はランチェスター法則を応用し、戦闘力を敵軍と戦う直接的な力と、敵軍の後方を攻撃し敵が戦争をすることを困難にする間接的な力に分けてとらえます。コロンビア大学の数学教授であったB・O・クープマンらがオペレーションズ・リサーチ(OR=作戦研究)チームを作り、導きだしましたことからクープマンモデルといいます。
戦後、ORは産業界へ応用されていきます。フォルクスワーゲン社がカナダに進出した際にも使われたといわれています。
■ アメリカにおける発展:クープマンモデル
第二次世界大戦を迎えると、アメリカ軍はこのランチェスター法則を前線の戦闘分析に応用します。コロンビア大学の数学教授であったB・O・クープマンをはじめとする作戦研究班(ORチーム:オペレーションズ・リサーチ)は、戦闘力を「敵軍と直接交戦する戦術力」と「敵の後方生産・補給拠点を叩く戦略力」の二つに分離して定量化しました。これが前章で解説した「クープマンモデル」です。
終戦後、この軍事作戦研究(OR)のノウハウは産業界へと移植され、欧米の民間企業(フォルクスワーゲン社のカナダ進出など)のマーケティング戦略に活用されることとなりました。
2.理論と実務として体系化した田岡信夫先生

故・田岡信夫先生
日本ではコンサルタントの故田岡信夫先生が、これを研究し販売競争に勝つための理論と実務として体系化しました。1970年代以降、多くの企業がこれを学び応用して取り入れ実戦し勝ち残っていきました。
多くの戦略理論や経営手法がアメリカ生まれであるのに対してランチェスター戦略は原点こそ欧米ですが、ビジネス戦略として体系化づけられたのは日本です。日本発ということと多くの企業が導入してきたこと、コンサルタントやマーケッターが多かれ少なかれ、この理論の影響を受けてきていることから「販売戦略のバイブル」ともいわれます。
ランチェスター戦略とはランチェスター法則、クープマンモデルをベースに故田岡信夫先生が構築した販売戦略、競争戦略です。イギリスで生まれ、アメリカで育ち、日本でビジネス戦略として花開いたものです。
3.田岡先生の遺志を受け継ぐ特定非営利活動法人ランチェスター協会と弊社
田岡先生の遺志を受け継ぐ特定非営利活動法人ランチェスター協会と弊社
田岡先生没後、先生の遺志を受け継ぐ特定非営利活動法人ランチェスター協会が設立されました。弊社代表の福永雅文は同会に入会し、学び、2005年から22年まで同会の講座やテキストの責任者を務め、同会認定インストラクターの育成も行いました。現在は同会の姉妹団体のランチェスター戦略学会の副会長を務め、ランチェスター協会認定インストラクターとして同会の公認のもと弊社(戦国マーケティング株式会社)はランチェスター戦略を基盤としたコンサルティング業務、研修、講演、著述活動を行っています。
謝辞
ランチェスター販売戦略は、昭和45年に故田岡信夫先生がランチェスターの戦争の法則か ら初めて導き出したビジネスの戦略思想です。
「勝ち方には一定のルールがある、その基本的思想をランチェスター法則から学び取れ」 が先生の一貫した主張でした。
そして先生は、ランチェスター法則をすべての戦略哲学の中核に据え、複眼的で弁証法的 な発想と、知的な論理の展開法を重視し、今日のランチェスター販売戦略の全体系を築き あげました。
私(福永雅文)は本文を執筆するに当たって先生の先駆的業績に敬意を払い、ここに衷心 より感謝の意を表明します。
■ ランチェスター戦略をさらに深く学び、自社に導入したい方へ
【1】書籍や講座で体系的に学ぶ
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